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One's MOTIF / vol.1 東條汀留さん

One's MOTIF / vol.1 東條汀留さん
柴田慶信商店のパン皿

さまざまな分野で活躍するプロフェッショナルに、リビング・モティーフで出会った愛用品についてお伺いするインタビュー企画「One's MOTIF」。 第1回は、"美しく健康な爪" をコンセプトに、ネイルサロン「longleage」を展開する東條汀留(とうじょう てる)さんに、10年以上サロンで愛用しているという柴田慶信商店のパン皿についてお伺いしました。
       
  • 日常使いができる、最上質なものを

    ―こちらの商品に出会ったのはどういうきっかけでしたか?

    当初から、サロンはお客様と井戸端会議ができるような情報交換の場にしたいと思っていたんです。だからこそ、お客様にお出しするお飲みものも、「親しみやすく日常使いができる、でも最上級のもの」でご提供することにこだわりました。何かそういう道具がないかなぁと思ってリビング・モティーフへ伺ったときに、このパン皿を見つけて。

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    ネイルは「洋」のイメージが強いと思うのですが、私は個人的に「和」のものが好きなこともあって、すべての店舗でお飲みもののトレーとして、ずっと愛用しています。

    ―長くご愛用いただいていると伺いましたが、どのくらい前から使われていますか?

    古いものだと10年は使っているんじゃないですかね。買い足しもしているので、新しいものだと2年くらい前に購入したものもあります。こうして比べてみると色が全然違いますね。古くから使っているものは随分といい味が出てきました。

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    ―10年も愛用いただいているなんて、私たちもうれしいです。

    すごく丈夫なんです、このお皿。本当はあまり水で濡らしてはいけない材質なのかもしれないのですけど、お客様にお出しするものだし、しっかりと水洗いをしています。それでも長く使えていますね。

    ー丈夫さも使い心地には大事なことですね。

    そうですね。上質なのに、毎日気軽に使える。なかなかこのトレーの右に出るものはなくて。やっぱり、いいものはずっと使うんですね。

  • 日本特有の、繊細でさりげない美しさ

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    ―パン皿もそうですが、サロンで和のものを使用されるのには、どういった思いが込められているのでしょうか?

    サロンではネイルを傷つけないように取っ手のないお茶碗でお茶をお出ししているのですが、それだけでなく、和のものがもつ日本特有の「繊細な美」が心地いいんです。

    私のサロンではジェルネイルを扱っていません。理由はいくつかあるのですが、西洋の強い美の象徴でもあるジェルネイルよりも、健康な爪に品のあるカラーを丁寧にのせていくマニキュアのほうが、日本人が本来持っている、繊細でさりげない美しさを引き出せると考えているからです。和のものを使うのは、その辺りから始まっているのかもしれませんね。上質な和のものに触れるたびに、私たちが追求し続けなければいけないものをしみじみと感じます。

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    ―サロンには伝統工芸品もたくさん置かれていますよね。こういったものはどのような視点で選ばれていますか?

    ネイルをしている間、手を使うことができない分お客様には目で楽しんでいただきたいんです。お客様の目に触れたとき、心地よさを感じていただいたり、興味をもっていただけたり。そんなことを考えながら選んでいます。

  • いいものに囲まれる心地よさを大切にしたい

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    ―身の回りのものが、暮らしやお仕事に与える影響はありますか?

    それはすごくありますね。たとえば、サロンに飾っているものや使っているものについて、お客様から本当によく聞かれるんです。「これはどこで買えるの?」って。それってやっぱり、いいものに出会って気分が上がっているからだと思うんです。

    いいものっていうのは、高価なものという意味ではなくて、自分が心地よいと感じたり、気分がよくなるもののことを言うんだと思います。そういうものに囲まれて気分をよくするっていうことは、お客様へはもちろん、自分自身でも大切にしていきたいですね。

  • いつも「新しい発見」がある場所

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    ―東條さんにとって、リビング・モティーフはどんな場所ですか?

    お店に伺うと、いつもディスプレイが素敵で刺激をもらえます。初めて訪れたのはもう20年以上も前ですが、「こんな素敵な世界があったんだ」と本当に驚いたのです。それ以来ずっと、いつ行っても新しい発見が必ずある、そういうお店です。

    ―パン皿以外にもリビング・モティーフでご購入いただいたものをたくさん置いていただいていて、とても光栄です。

    サロンのディスプレーは、リビング・モティーフのお店をかなり参考にさせていただいているんです。そういうブランド、すごく多いと思いますよ。
    食器類や壁を飾っているアートポスター、お客様用のちょっとしたカゴ から、オフィスで使うホワイトボードやパーテーションまで、さまざまなシーンで使わせていただいています。本当に信頼できる、洗練されたセレクトですよね。

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    ―これからのリビング・モティーフにどんなことを期待されますか?

    とにかく新しい発見です。私自身もそうですが、やっぱりサロンへ来てくださるお客様に新しい「いいもの」をお伝えしたくて。
    あとは、いつかリサイクルができるようになればいいなと願っています。一生ものの家具、なんてよく言うけれど、やっぱりライフステージや年齢に合わせて好みは変わっていくもの。だけど大切に使ってきたものを捨てたくはないから、何かよい方法があればいいなと。

    私はサロンワークを商売と捉えていないんです。指先から得られる美しさを大切にする、文化を残したい。洗練された繊細な美意識を改めて伝えていけるような存在になっていきたいですね。


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    東條汀留/Teru Tojo
    マニキュアリスト/株式会社ロングルアージュ代表
    1988年「爪の時代」を意味するネイルサロン「longleage」を東京・西麻布(現在は東京・広尾)にオープン。爪本来の役割に着目し、日本人に合った、健康で美しい爪のためのネイルケア理論を確立。「黄金比の爪」と呼ばれる健康で美しい爪を目指す独自のケアスタイルと、日本人本来のさりげなく品のある美しさを引き出すカラーリングテクニックで幅広い層の共感を得ています。著書に講談社「大人の上品美爪塾」、NHK出版「ネイルの教科書」他、雑誌掲載など多数。
    https://longleage.co.jp/
    https://www.instagram.com/longleage_official/

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