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One's MOTIF / vol.4 岩﨑牧子さん

One's MOTIF / vol.4 岩﨑牧子さん
虎山工房 鉄瓶 UD-8

さまざまな分野で活躍するプロフェッショナルに、リビング・モティーフで出会った愛用品についてお伺いするインタビュー企画「One's MOTIF」。 第4回は、インテリア&フードスタイリストとして活躍する岩﨑牧子(いわさき まきこ)さんに、虎山工房の鉄瓶 UD-8についてお伺いしました。
       
  • 何度も仕事で紹介した、他にはないたたずまい

    ―こちらの商品とはどのように出会われましたか?

    出会いのきっかけはスタイリストのお仕事でした。たたずまいに一目惚れして、雑誌の商品紹介などで何度もこの鉄瓶を選んで掲載していたんです。いつか自分も欲しいと思いつつ、買う前からいろんな媒体で取り上げるくらいすごく気に入っていて(笑)。
    やっと購入を決めて、家に迎えて8年。今では朝の相棒です。

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    ―買う前から気に入ってくださっていたんですね。

    そうなんです。この鉄瓶と出会うまで、なかなか好みに合うものが見つからなかったんですよね。個人的に、丸みのある曲線的なかたちのものよりも、シンプルで直線的なフォルムの方が好きで。

    鉄瓶というと丸くてぽってりとしていたり、文様が入っているものが多いけれど、この鉄瓶はすっきりとしたシルエットで持ち手も美しくて気に入っています。
    私にとって初めての鉄瓶ですし、今も持っている鉄瓶はこれひとつだけです。

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    ―どんなときに使われていますか?


    購入直後はたまに使う程度だったのですが、数年前のコロナ禍をきっかけに、毎朝お湯を沸かして白湯を飲む習慣ができました。

    以前は朝起きてまずコーヒーを淹れていたんですが、自粛期間などで時間にゆとりが生まれてから、1日の最初に鉄瓶を火にかけるようになったんです。

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    ―使い心地はいかがですか?

    鉄瓶で沸かしたお湯は口当たりがまろやかになる気がしますね。
    それからハンドルが持ちやすくて、そこまで重さを感じないですし、開口部が広いので中までよく洗えてお手入れもしやすいんですよ。

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  • 使ううちに深みが増していく魅力

    ―お仕事柄たくさんのものに触れられていると思うのですが、ご自宅用として選ばれるものに共通点はありますか?

    経年変化を楽しんでいくものに惹かれます。使っていて味が出てくるのはもちろん、既に経年変化している古いものを手に入れることも多いです。

    感覚で選びがちなので、好きな雰囲気を言葉にするのが難しいんですが、錆びた風合いなんかも好きなんです。使いながら育っていくところにも魅力を感じますね。

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    それから先ほどお伝えした鉄瓶のように、柔らかい雰囲気のものより、箱のようにかくばったフォルムが好き。色も鮮やかではっきりした色より、黒などのモノトーンや、鈍い色合いが落ち着きます。

  • ものの背景への好奇心

    ―スタイリストという、ものと密接なお仕事をするようになった経緯をお聞かせいただけますか?

    小さい頃から雑貨が好きだったんです。最初はお店をやりたいという思いもあったんですが、雑貨やインテリアの雑誌に興味を持ち、スタイリストという仕事を知りました。インテリア系のスクールに通って、スタイリストの先生のアシスタントをさせていただき、独立して今に至ります。

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    リビング・モティーフを知ったのも、アシスタント時代ですね。商品リサーチやリースをきっかけによく訪れるようになりました。

    ―リビング・モティーフにはどんな印象をお持ちですか?

    いろいろなテイストに合わせられるものを揃えていますよね。それからいつも洗練された最新のものがあるというイメージもあります。だからお仕事では頼りにしていて、駆け込み寺のような存在でもあります。

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    料理も好きなのでキッチンツールなどもよく見ます。ものをつくることが好きなので、キッチンツールに限らず「道具」が気になるんですよ。

    ―スタイリストさんというと、ものとものを組み合わせてコーディネートするお仕事というイメージですが、ものづくりもお好きなんですね。

    ものがつくられる背景にも興味があるので、作家さんの工房やアトリエへ見学に伺うこともあります。どんな素材で、どのようにつくられているかを知ると、ものに対する思い入れや自分自身の価値観も変わりますよね。
    さらに実際に自分の手でつくってみると、見え方や理解も変わりますし、人へものを提案する立場としても大切なことだと思っています。

    作家さんの個展や展示会などにもよく足を運びますが、直感的に選んだものから、今の自分の好みを知ることもありますね。

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    ―ものへの理解が深まるだけじゃなくて、ものを通して自分のことに気づいたりもするんですね。


    そうですね。ものづくりなど手を動かすことに興味があります。今はかご編みや金継ぎかな。いろいろチャレンジすることが楽しいんです。
    この鉄瓶がつくられた工房もいつか見学してみたいですね。


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    岩﨑牧子/Makiko Iwasaki
    インテリア&フードスタイリスト
    スタイリストのアシスタントを経て独立。テーブルコーディネートのほか、フードやインテリア関連のスタイリングを中心に幅広い分野で活躍し、雑誌『エル・グルメ』や人気料理家の書籍のスタイリングを多数手がける。器やキッチンツール、家具などに造詣が深く、テーマに応じたセンスのよいスタイリングに定評がある。
    https://www.instagram.com/figichigo/

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